「内臓ウォーキング」について
内臓ウォーキングとは?
特別な歩き方ではありません。体のしくみに沿った、自然な歩き方です。
自然な歩き方が、内臓の健康にとっていちばんよいのです。
自然な歩き方からはずれると、内臓の‘器(うつわ)’である体幹、そして手足が十分に働けません。
すると、下記の3つの流れにより、内臓に負担をかけてしまいます。
(1)「ハの字」と「への字」
みぞおち付近の肋骨のかたちを見ると「ハの字」を描いています。
ここが「への字」に見えてきたときには、内臓が疲労している可能性があります。
特にこのあたりには胃や肝臓が収まっていますので、消化器系の疲労を表しやすいです。
長年の猫背などにより「への字」を作ってしまい、内臓を外側から圧迫して疲労させている人がとても多いのです。
「ハの字」「への字」調整の具体例(2018年9月15日施術例ブログ)
(2)逆Yの字
股関節の奥には、逆Yの字のようなかたちの太い動脈と静脈が重なり合っています。
この重なり合っている配置も影響し、股関節の動きが悪いと、全身の血流のよしあしに直結します。
血流が滞ると、その分、心臓にも負担がかかります。
私が施術で用いる身体均整法では、心臓疲労解消に股関節調整を用います。
正しい歩き方によって普段から股関節をスムーズに動かせるようにしておくことが、心臓疲労を防ぎます。
(3)こりライン
人にはそれぞれ無意識に体重をかけやすい足裏の点があります。
たとえば足裏にできる「マメ」。人差し指のつけ根、小指のつけ根 など、人によってできる場所に違いがあります。
立っているとき、歩いているときなどに、その人がいちばん体重をかけやすい点にできるのです。
その点で体を支え続けるうちに、点から上って、頭の先までを結ぶラインが凝ってきます。
その凝りのライン「こりライン」は、東洋医学でいうところの「経絡」ラインと重なります。
胃経ラインが凝ってしまったとします。すると胃だけではなく、足首、膝、腸、肝臓、目、女性であれば子宮や卵巣など、ライン上にある臓器や関節に不調が起こりやすいのです。
その人の立ち方、歩き方の長年のクセにより、こりラインは偏ります。
正しい歩き方によって、全部で12本あるラインにまんべんなく体重をかけられるようにすれば、こりラインを作らずに済みます。
こりラインを作らないようにすれば、関節も痛めず、また内臓も凝ることがなく、内臓疲労を防ぐことができるのです。
こりラインの具体例「胃」(2017年10月14日施術例ブログ)
こりラインの具体例「股関節」(2018年8月25日施術例ブログ)
こりラインの具体例「自律神経」(2019年3月30日施術例ブログ)
こりラインの具体例「顎関節」(2019年4月13日施術例ブログ)
こりラインの具体例「O脚・X脚」(2019年4月20日施術例ブログ)
1〜3)と例をあげました。これらを日常生活の中で整える歩き方が「内臓ウォーキング」です。
下記の拙著に、その方法をまとめました。
『体内疲労をとる5分間内臓ウォーキング
脳から肝臓・胃腸・子宮まで若返る!』
(田川直樹著・さくら舎刊)
お客様から施術後によくいただくご質問、「次までに何かしておくといいこと、ありますか?」に、個別にお答えしているうちに、「多くの方に共通するアドバイスをまとめて、施術後に手渡しできる小冊子を作ろう」と思い立ちました。
その後、書きためた原稿から生まれた本です。
詳しくは発売当時のブログをご参照下さい。
『内臓ウォーキング』が生まれたきっかけ(2017年8月4日快風院ブログ)
冒頭でもお話ししましたとおり、手を上げたまま歩くとか、後ろ向きに歩くなど、特別な歩き方ではありません。
人体のしくみに基づき、いちばん効率よく動ける歩き方です。
私はこの歩き方をはじめとした体の使い方を約10年(2018年現在)、東中野にある「体玄塾」というスポーツジムで、スポーツトレーナーである志水博彦先生から学びました。
志水先生の許可を得て、学んだ歩き方を内臓疲労解消視点からまとめた本が『体内疲労をとる5分間内臓ウォーキング』です。
スポーツやダンス、バレエ他を学んでいて伸び悩んでいる方、さらにパフォーマンスを向上させたい方はぜひ、体玄塾をお訪ね下さい。
2017年11月には夕刊フジ公式サイト『zakzak』さんに紹介していただきました。
とてもシンプルにわかりやすく内臓ウォーキングをまとめて下さっていますので、ご覧下さい。
体内疲労を根本治療する「内臓ウォーキング」/タスキ筋の連動を意識することが肝要
※当ページのイラストや図は下記のサイトさんにお世話になりました。
※肋骨図はこちらのソフトです。